揺蕩えば、みえる。
prologue
ハレとケのあいだ、光と闇のあいだ、虚構と現実のあいだ。
霞のように掴めず、あいまいで、うごめいている——。
そんな場所も、気持ちも、あっていい。
揺蕩う、すべての人へ。
history
かつて人の集まるまちには、よく花街があった。
古都・奈良でも、ならまちの南市町や元林院町で芸妓や遊女など、さまざまな立場の女性が数多く働いていた。
多くの男女の体と想いが行き来する、色気や色情が漂うエリアだったのだ。
非日常と日常のあいだで、美しいたたずまいや声で魅せる。
ときに誰かと柔肌を重ねる——。そんな夜が、営まれていた。
「たゆら」は、そんな歴史をもつ南市町にある。
meaning of tayura
「たゆら」とは、揺れ動くという意味で大和言葉でもある「揺蕩う」から名付けた。
二つのもののあいだの空間や、
二つのものが交わったり背いたりする
動的な出会い・関係性もイメージしている。
あなたのあらゆる時間・感情をみとめたい。
そんな願いを、こめて。